嘘吐き狐は戦禍の果てに

最終更新： espp100 espp100 2017年10月08日(日) 02:58:24履歴

宇宙世紀0079年、1月。地球から最も遠い宇宙都市サイド3は、ジオン公国を名乗り地球連邦に対して独立戦争を挑んだ。
緒戦においてジオン軍は巨大人型兵器モビルスーツを戦線に投入し、連邦軍に大打撃を与える。
同年10月、連邦軍では先行量産型モビルスーツの製造と実戦運用試験を開始。
モビルスーツの戦闘データ収集を主任務とする「第14独立機械化混成部隊」通称「カナリア隊」が設立された…

「カナリア隊」

ブランドン・ライアー中尉を隊長として編成されたカナリア隊には、モビルスーツパイロットと共に先行生産型のモビルスーツが配備された。
しかし間を置かず、連邦基地がジオン軍MS部隊の襲撃を受ける。
カナリア隊はやむを得ず防衛戦に移行するのだった…

「ファーストルック・ファーストキル」

基地周辺の森林地帯にて高濃度のミノフスキー粒子が検知された。
敵攻撃部隊が潜伏している疑いが持たれた為、カナリア隊には偵察と敵部隊の殲滅が命じられる。
レーダー索敵不能という状況の中、先んじて敵機を発見・攻撃しなければならない。

「アンブッシュ」

森林地帯の制圧後、歩兵部隊によって得られた情報の中には敵部隊の航空輸送計画が含まれていた。
これを受け、カナリア隊には砂漠地帯での敵輸送機撃墜任務が下される。
部隊は現地に到着後、直ちに待ち伏せ攻撃の準備にかかるが……

「砂嵐」

情報漏洩の可能性が示唆された事から、カナリア隊はすべての任務を一時中断し、砂漠基地にて情報部の調査官を待つ事になった。
もし同僚が敵のスパイだったとしたら…蔓延する猜疑心の中で、時間だけが過ぎてゆく。
折りしも、砂漠基地には砂嵐が近づいていた。

「黒く塗れ」

ライアー中尉としてスパイ活動を行っていたジオン軍人フォックスが拘束され、カナリア隊はひとまずスパイ容疑を逃れた。
トロイ少尉を臨時指揮官として再出発したカナリア隊は、東南アジア方面軍への支援任務を通達される。
そして配備される新たなモビルスーツ。それはサイド7で失われた筈のガンダム1号機、プロトタイプガンダムだった…

「水上の煙」

東南アジアに派遣されたカナリア隊は、河川沿いの掃討任務に加えられた。
連邦の一大反抗作戦、オデッサ作戦に向けて戦力の分散輸送ルートを確保する為だ。
現地ではジオン軍水陸両用モビルスーツの配備が予想され、可能ならその鹵獲も副次目標となった。
さらにザク・グフとも異なる人型MSの目撃例も報告され、作戦には慎重さが求められる。

「追撃」

ヅダとの戦闘でジムは破壊され、トロイも重傷を負った為に後送される事になった。
しかし司令部は無情にも、オデッサへ集結しつつある敵部隊の追撃任務をカナリア隊に課す。
作戦中、カナリア隊はさらなる新型MSとの戦闘を余儀なくされる。
かのMSには、灰色の狐のエンブレムが刻まれていた…

「不屈」

ジオン地上軍最大の拠点オデッサ基地は、圧倒的多数の従来型兵器による飽和攻撃により、連邦軍の手に戻った。
カナリア隊を含むMS部隊は、支援任務等の裏方に徹する事で温存された。
この成功を労い、カナリア隊全員の昇進が認められ、一時的に最前線の任務から外される。
ネフスキーは彼らを戦争捕虜収容所の視察に誘う。
そこにはカナリア隊が関わった二人の捕虜、フォックスとローガンの姿があった。

「エース」

連邦軍を象徴する機体、ガンダムを運用し各地で戦果を上げたカナリア隊は精鋭として扱われ、翼の生えた鳥籠のエンブレムが贈られた。
オデッサから敗退する敵部隊の追撃作戦に、カナリア隊も投入された。
欧州方面軍と協力し少数部隊で進む彼らの前に、殿を務めるジオン軍エースパイロットが立ちはだかる。
それは既に単なる運用試験の範疇を越えた、互いに守るべき物を守る為の戦いとなっていた。

「断絶」

地上に残ったジオン軍戦力はオデッサの陥落とジオン地上軍司令の逃走により混乱し、連邦軍の追撃の成果もあって弱体化の一途を辿っていた。
そんな折、捕虜収容所からフォックス少佐・ローガン軍曹を含むジオン軍将兵が脱走に成功したと、カナリア隊に情報が届く。
彼らはジオン地上軍の一部隊と合流し、アラビア半島に存在する宇宙港を目指していた。
フォックスを知るカナリア隊もまた、現地に投入される。
宇宙での戦いを見据え、ジオン軍戦力を減らすと共に宇宙港を確保する事がその目的だった…

「捨て駒」

輸送機の墜落というアクシデントの中、敵エース機の撃破に成功するも、増援要請を却下され孤立無援となったカナリア隊。
彼らはフォックスの勧告を受け、ジオン軍部隊に投降した。
ミデア輸送機の生存1名と指揮車要員2名、そしてトロイ少尉も保護されたものの、トロイは重傷を負い危険な状態だった。
彼らはフォックスの口から、彼らの目的がジャブロー襲撃に向けた陽動である事を伝えられる。
カナリア隊は最悪の状況へと陥っていた……

「命」

ジオン軍のジャブロー襲撃作戦は失敗に終わった。
ロードは意識不明のトロイを乗せてMSで連邦基地へ帰還する決断をし、フォックスもそれを許可した。
彼はその他の捕虜も指揮車に乗せて解放すると約束した。彼らの占拠する宇宙港には捕虜を保護する余裕など無いのだ。
フォックスは稼働可能な唯一のHLVを用いて戦力を宇宙へ送る作戦を実行しようとするが、ジャブローから引き上げた連邦部隊は既に宇宙港へと迫りつつあった。

「金糸雀は信念の果てに」

フォックスを射殺しようとする連邦兵を殺害し、ロードとベリトは連邦へ戻る事が出来なくなった。
同時にトロイを連邦拠点へ帰す計画も不可能となる。
フォックスは三名の身分を偽装してトロイをHLVに乗せ、宇宙の友軍によって治療される可能性に賭けるよう提案。
その為にも、ベリトとロードもHLV防衛に協力するよう要請した。

「約束」

連邦軍に保護されたトロイは一命を取り留めた。
しかし離反した元カナリア隊のメンバーには、彼らの反逆行為に対し銃殺刑が言い渡された。
死刑執行をただ待つ事しか出来ない彼らに、ネフスキーは事情聴取と称して会合の場を設ける。
ネフスキーは自らの秘密を彼らに語った。
そして「決して死なせはしない」と約束したフォックスは、あらゆる手段を以てそれを果そうとしていた。

キャラクター

テンプレ
名前：
性別：
年齢：
職業：
容姿：
備考：

地球連邦軍第14独立機械化混成部隊（通称カナリア隊）

ブランドン・ライアー
ベリト・フォーアネーム
アリス・ガルシア
ロジャー・ブラッドフォード
ロード・デンヘット

地球連邦軍後方支援部隊

エルカ-アリア（by10-s)
クリストファー・シャムシェルル

地球連邦軍情報部

ユーリ・ネフスキー
ショーン・トロイ

ジオン公国軍

ルーゲン・フォックス
サンダーツインズ
ケヴィン・グロウ
フォルク・ローガン

メカニック

連邦軍

「陸戦型ガンダム」

ガンダムとして知られるRX-78シリーズの製造過程で生じた規格落ちパーツを基幹として再設計された半量産モビルスーツ。
重力下戦闘に特化しており、長期作戦用のウェポンコンテナをバックパックに装備できる。
多彩な携行火器に対応する他、固定装備として胸部に60mm機関砲とマルチランチャーを、脚部にビームサーベルを装備している。
装甲材にはオリジナルのガンダムと同様にルナ・チタニウム合金が使用され、抜群の防御性を誇る。

「陸戦型ジム」

陸戦型ガンダムを基に量産を前提として開発されたモビルスーツ。
通常型のバックパックを採用した他、胸部の固定武装が排除された。
陸戦型ガンダムと比較して若干出力は低いものの、索敵性能はこちらが上回る。

「プロトタイプガンダム」

RX-78として知られるガンダムの1号機。
サイド7で失われた筈だったが、残骸を回収し復元され、ネフスキー少佐を介してカナリア隊に配備された。
他のMSを圧倒する総合性能を誇る他、宇宙・地上の両方での運用が可能。
よく知られるガンダム2号機とはカラーリングが異なる他、細部の意匠が異なり、右腕に半固定される試作ビームライフルが特徴。

「ジム」

ガンダムを原型機とし、廉価に量産すべく開発されたモビルスーツ。
装甲材にはチタン系合金が用いられ、ガンダムと比較すると防御性は低い。
ただし頭部機関砲やビームサーベルといった固定装備は引き継がれ、索敵性能・推力重量比はガンダムを上回る。
ジェネレーター出力は下回る為、稼働出力を抑え、射程と威力では劣る物の速射性と取り回しに長けるビーム・スプレーガンが開発された。

「ジム・コマンド」

次世代量産機に向けてのデータ収集を目的として開発された、ジムのアップグレードモデル。
特に運動性が向上しており、一撃離脱戦法や格闘戦において真価を発揮する。
バックパックを中心とした改修により、地上戦・宇宙戦に最適化する事が可能。
武装としては装甲貫徹性と装弾数に優れる新型の90mmマシンガンや、ビームライフルとスプレーガンの中間的な性能を持つビームガン等が用意された。
従来型とは意匠の異なる曲面型シールドは被弾を受け流す構造により防御効率性の向上に成功している。

「ジム・キャノン」

連邦軍主力機のジムを原型に砲撃戦仕様のＭＳとして改修された中距離支援機。
ジムの名を冠しつつもガンキャノンの量産型とされており、その系譜はジムのものとは異なる。
肩部240mmロケット砲は本機の代表的な主武装であり、ガンキャノンのものを改修されたもので
ロケットバズーカ、ビームスプレーガンと併せて中距離支援攻撃の要となる。

ジオン軍

「ザクⅡ」

ジオン軍の主力モビルスーツ。
一年戦争開戦初期には連邦軍の既存兵器を圧倒したが、他MSと比較すると性能は低い。
基本的なF型、地上戦に最適化されたJ型、エースパイロット向けのS型などをはじめとし、幅広いバリエーション機が派生した。

「ザクⅠ」

ザクⅡ以前に量産されていたジオン軍モビルスーツ。
一年戦争開戦前に制式採用されたものの、出力等において力不足と判断され、ザクⅡ開発後には補給部隊等の二線級部隊へ回された。
戦争末期においても多数が残存しており、アラビア半島宇宙港においてフォックス隊にも配備されている。
フォックス搭乗機は指揮官機用のブレードアンテナとザクⅡ用のスパイク付ショルダーアーマーが装備された現地改良機。

「ザクⅠ・スナイパータイプ」

ザクⅠを改良し、長距離交戦用ビームライフルの運用を可能とした狙撃機体。
サブジェネレーター内蔵の大型バックパックを追加した為に運動性は劣悪で、MSをビーム砲台代わりとして割り切った機体。
ローガンが搭乗し、宇宙港防衛の要となる。

「グフ」

陸戦用のザクⅡJ型を基に再設計し、さらなる陸戦特化と格闘戦能力を持ったモビルスーツ。
ジオンの英雄ランバ・ラル大尉に因んで青を基本的なカラーリングとする。
ビームサーベルに匹敵するリーチを誇るヒートソード、鞭状の電撃・溶断装備ヒートロッド、左指5連機関砲といった独特の固定装備を持つ。
また装甲もザクから強化され、左腕には取り回しに優れるシールドが追加された。
しかし独自の戦用装備は使い勝手に難が有り、一部のベテランパイロット以外はザク用のマシンガン等で武装し、ザク同様に使用していた。

「ドム」

グフに代わる主力陸戦MSとして量産された重MS。
強固な装甲を持ちながら熱核ホバー機構を搭載し、防御性・移動速度の双方に優れる。
特徴的な武装としてザク・バズーカ以上の威力を誇るジャイアント・バズと、従来型より溶断能力の高いロッド状のヒートサーベルがある。
また胸部には拡散ビーム砲を装備するものの、実際には近距離での目くらまし程度にしか効果を為さない。
ジオンのエース部隊黒い三連星に因んだ黒を基調としたカラーを標準とする。
攻防両面で優れた名機ではあるものの、重い自重の為に機敏な動きやジャンプ能力で劣る為、一部のエースパイロットはグフを続けて愛用したという。

「EMS-04 ヅダ」

ジオン軍初期の主力モビルスーツである『YMS-05 ザクⅠ』と同時期に開発されたモビルスーツ。
ツィマッド社お得意の推進装置分野の技術を活かし宇宙空間での機動性と推力を重視して設計されており、かつて格闘性能試験・飛行性能試験それぞれにおいてザクⅠを凌駕している。
しかし、機体の強度がエンジンの加速に耐えきれないという思わぬ欠陥により飛行性能試験の場で空中分解事故を起こしてしまい、量産機にはなれなかった。
機動力はジムが追いつけず、照準を合わせることが出来ない程だが、空中分解を恐れ少数生産されても乗るものはそうそう居ない。
エンジンは背部に露出しており、バーニアノズルの向きを変えるだけで失速する事なく急激な方向転換が行えた。
実質、ガンダム以上の推力を誇る。

「ゴッグ」

ツィマッド社による、ジオン軍初の実用水陸両用モビルスーツ。
モノコック構造による堅牢な構造と強固な装甲、水冷式ジェネレーターによる高出力を実現している。
しかし水冷式ジェネレーターの採用により陸上での活動可能時間は極めて短く、また自重の為に機動性も低い。
腹部にメガ粒子砲を搭載しているが、技術的に洗練されておらず、収縮性とチャージ時間に問題を抱えている。

「アッガイ」

ジオニック社製の廉価版水陸両用モビルスーツ。
ザクⅡのジェネレーターやフレーム等、既存パーツの流用によって生産コストが抑えられている。
防御性には劣るものの、水冷式ながら排熱の少ないジェネレーターと軽量化により、地上でも十分な運動性を発揮した。
頭部に4連装105mm機関砲、右腕にアイアンネイル並びにメガ粒子砲ないし機関砲、左腕に6連ロケットランチャーを装備する等、汎用性は高い。
またアッガイの腕部は水陸両用機の中でも特に伸縮性が高く、見た目以上に格闘攻撃時のリーチは長い。

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